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立て直せ、人生。

人生行き当たりばったりなアラサーが、無事にアラフィフになれるように頑張らないブログ

読んでるとラリりそうなハード百合SF『最後にして最初のアイドル』が名状しがたい(レビュー・感想)

「ハードSFでB級で、ラブライブ!の二次創作。しかも百合って聞いたら、どう思う?」 なんだこいつ 薬(ヤク) でもキメてんのか?という言語明瞭意味不明であること甚だしい文なんだけど、 あるんだな、これが。 「最後にして最初のアイドル」。それが、その…

加藤千恵「ラジオラジオラジオ!」を読んで胸が痛くなる

青春時代は、往々にして「痛い」。自意識過剰で、自分勝手で、ここではないどこかに行けば、きっと未来が開けるはずだ、そう疑うこともなく信じ込んでいたりする。 加藤千恵「ラジオラジオラジオ!」を読んだ。2001年を舞台にし、受験を控えた等身大の女子高…

頼むから、小説『君の名は。Another Side:Earthbound』も読んでくれ

ぼくのお気持ちはタイトルで完結している。 「君の名は。」を劇場で観て気に入った人は、頼むから小説版を買って読んでほしい。 「君の名は。」の小説は、2つ出ている。どちらも読んでいただきたいのだが、どちらか一つと言われたら、 サイドストーリー集で…

アジアンテイストで切ないSF短篇集「紙の動物園」(ケン・リュウ)で涙ぐむ

ぼくは喫茶店でこの本を読んだけれど、心に突き刺さってしばらくその場を動けなかった。 万年斜陽ジャンルのSFだけれど、この「紙の動物園」は普段SFに触れていない人にも是非よんでほしい作品だ。乱暴なお勧め方をすると、「あなたの人生の物語」を書いたテ…

色とりどりの短編小説集「中島らも 短篇小説コレクション 美しい手」感想/レビュー

この作品集は、テーマが「中島らも」だ。叙情的な作品からホラー、ナンセンスギャグ、「あの頃」の懐かしいお話——様々なものが詰まっているが、どれもこれも確かに「中島らも」なのだ。

真実よりも正しいフィクション。山本弘「アイの物語」レビュー・考察

ヒトの繁栄から数世紀。かつて「新宿」と呼ばれたその街は、今にも崩れ落ちそうなビル群が林立する。 そんな廃墟の中で、「僕」は少女と出会う。少女はあまりにも美しく、文字どおり人間離れしていた。そう、少女は人間ではない、アンドロイドだ。 「語り部…

書籍ドラッグ「月世界小説」(牧野修)の酩酊感がすごい。レビュー・感想

本でしか表現できない、味わえないこの快楽。まさに書籍ドラッグ。 ジェットコースターのように次から次へと繰り広げられる言葉の洪水に、ぼくは飲まれた。 友人とゲイパレードを観にきていた青年「菱屋修介」。晴れ渡る晴天のもと、アポカリプティックサウ…

奇妙な味わいのエッセイ集、あるいは妄想集。岸本佐知子「なんらかの事情」

エッセイか、妄想か、ショートショートか? 些細な日常のワンシーンから、妄想によって拡がる岸本ワールドに飲み込まれるこの本。どこまでが現実で、どこからが妄想かが判然としない独特な作品が、たったの3ページ分の文章で次々と繰り広げられて行く。 氏の…

国民全員がニートになったら?現代ディストピア小説「我もまたアルカディアにあり」感想と考察

「世界の終わりに備えています」 そう主張する団体が建築する、アルカディアマンション。それは窓がなく、常識はずれの分厚いコンクリートの壁から作られたマンション。入居費用も生活費も不要、働かずとも生活が保障され、ただ娯楽を消費すればよいと言われ…

ノスタルジックなSFファンタジー。ジャックフィニィ「ゲイルズバーグの春を愛す」

ノスタルジーというと現実逃避のためのものであるが、フィニィのノスタルジーはひと味違う。 むせかえるほどのノスタルジーに満ち満ちたこの短篇集は、現実逃避たるノスタルジーを全力で肯定し、同時に現実世界を強く批判する。 ゲイルズバーグの春を愛す (…

文学の祭典「第二十二回 文学フリマ 東京」

文学フリマに行ってきた。文学フリマ、というとストイックなイメージを持たれるかもしれないが、これがなかなか懐の深いイベントだ。 現在は札幌や大阪などの地方都市でも開催されるようになり、東京では現在22回目*1。なかなか広がりをみせるこのイベント。…

「計劃以後」を終わらせる、どんちゃん騒ぎの「屍者たちの帝国」

劇場版を見終えたのちに見つけて購入した「屍者たちの帝国」。やっと、読み終えたが、こいつは確かにお祭り騒ぎだ。

円城塔「シャッフル航法」の怖さと面白さ

だいたいにおいて、小説っていうのは「分かりやすく書け」って言われるもんだ。 そんな中、読者に歩み寄ろうと全速力で向かってきてくれているだろう円城塔だけれども、こっちは二次元軸で存在していたのに、あっちが三次元で走っているもんだから、すっとす…

据わりの悪さ、後味の悪さがよい「居心地の悪い部屋」

タイトルは褒めてます。 岸本佐知子氏の編訳ということで、手に取ったこの作品。どんな作品かしら?と粗筋を説明しようったってそうはいかない、ストーリーなんてないものばかり。読み終えたあとの「居心地の悪い感」を追求したアンソロジーだからだ。 居心…