劇場版「聲の形」、ネタバレなし感想とあらすじ、そしてぼくの思うこと
映画『聲の形』を観た。ぼくは、とんでもないものを目撃してしまったと思った。
美しい画面と包み込まれるような音楽。うまくコミュニケーションできない主人公たちの心の裡を、カメラの動きが、音楽が代弁しているかのようである。
主人公たちは自分たちの気持ちを語れない。だからすれ違ってしまう。けれど、音楽、カット割り*1画面切り替えがあまりにもダイレクトに主人公たちの心を描き出し、ぼくはスクリーンから目を逸らすことができなかった。
漫画的で可愛らしいキャラクターたちによって、抉るように生々しく描き出される生きることの難しさ。
少女をいじめてしまった少年。ある時を境として、その標的が自分に移る。そして知る自分のしでかしたことの大きさ、そして彼女の想い。取り返しのつかないことをしてしまったと後悔し続ける彼は、心を閉ざして孤立した日々を送る。
「俺、最低な人間だから。生きてちゃ、まずい人間だから」
そして高校生になった彼は、彼女の元を訪れ、5年ぶりに再開する。彼はその時、ある決意を持っていた。止まっていた彼らの時間は動き出す、残酷で優しい、そんな作品だ。
- 感想:シナリオの凄さ、2時間とは思えない濃密さ
- 演出は口ほどにものを言う
- ノイズだって、世界の音のひとつ:音楽、音響について
- ドキュメンタリーのような映像:背景、撮影、カメラワーク
- 最後に
- 作者: 大今良時
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/01/17
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*1:映像におけるシーン切り替えの意