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キンプリ観た男の「プリティーリズム レインボーライブ」感想・考察

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キンプリ観たからプリリズ観た。たちまち、ぼくは輝きに包まれた。

キンプリことKING OF PRISMは、「プリティーリズム レインボーライブ」(以下プリリズRL)と呼ばれる作品の続編だ。

ぼくはその話を聞いてはじめ混乱した。だって、キンプリは、マジメにバカをやっている、BLアニメっぽかったからだ。でも面白かった。バルト9で日本一大きいだろうスクリーンで通常上映を観て心を掴まれたたあと、応援上映を都合2回行ったわけだ。

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そしてプリリズRLを観たあと、「プリリズ視聴後初キンプリだ」と、もう一度川崎チネチッタのライブ応援上映に行った。声援に負けない音響で、素晴らしい応援上映であった。

以下、視聴前提のネタバレあり

男からみたプリリズRL

一言で言おう。泣いた。dTVで配信終盤で、ギリギリに視聴をしていたのもあったけれど、とにかく涙腺に来た。

会社の休憩室で、イヤホンを両耳にはめて観てて、副社長に声を掛けられたことに気づかない程度には熱中して見入っていた*1。 脚本を気にする面倒くさいタイプの人間としても、素晴らしい構成としかいい様子がなく、全てのキャラクターが生き生きと、お互いに良い影響を与えつつ成長する希有な完成度のアニメだったと思う。というか、群像劇アニメとして屈指のできではなかろうか。

なるの主人公としての役割

まず、主人公である、綾瀬なる。群像劇だと思っているので、主人公と言い切っていいのか悩んだけれど、物語は彼女で始まり彼女で終わる。だから、群像劇的とはいえ、この作品の中心は彼女で主人公だと言っていいだろうと考える。

彼女は、純粋さそのものを示したような存在だ。家族を持ち、愛され、不自由しない生活。人を疑わない。人を疑うということをしない。

そんな、何も欠けることもない女の子が、次々と他の子たちに影響を与え、周りと共に成長してゆく。初めは、世間知らずで頼りなく、何もできない。それが、周りを助け、助けられ、最後にはプリズムの輝きを取り戻す。

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正直言って、なるの見せ場が少なかった点は残念に感じた。蓮城寺べるに、それが取られてしまったように思う。けれど、それはまた、「なるらしさ」のかもしれない。常に彼女は自分のことよりも、周りのことを優先するのだ。

なるの最後のプリズムショー。失われたプリズムの力を取り戻したなるだが、勝てなかった。目立たず、少し損な立ち位置であるなるのことについて、作中で「本当の優勝は彼女だ」という言葉が囁かれたところからも、制作陣も感じていたことなのだと察する。

二人で主人公の蓮城寺べると、なる

べるはとても目立つ。作品中では地味に感じてしまうなるとは対照的だ。でもそれは彼女も、なると背中合わせのもう一人の主人公だからだと思う。

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蓮城寺べるは、不完全な完全を示していた。初めから完璧な存在として登場した彼女は、その実不安定なバックグラウンドを持ち、表向きの「完璧さ」によって自分を保っていた。自分を厳しく律することで、他人の評価を得て、本当に愛して欲しい人(両親)に対してアピールする。

彼女は、まさに綾瀬なると対になるような存在だ。彼女に憧れる綾瀬なるに、べるは励まされ支えられた。そして、最後に挫けそうになったなるを、彼女は支えた。一人では不完全でも、補えあえばよい。そんなメッセージを感じる。

譲らない熱さを秘めた、涼野いと

涼野いとは、ピーキーだ。取っつきにくい彼女は、冷めているようでいて、その実最も「熱さ」を秘めた存在だ。

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彼女は、コウジと惹かれあう。けれど、そこには自分たちでは越えがたい過去の問題が横たわる。悩み、苦しみ、離れたりもした。けれど、やはりそれでも好き合ってしまう彼女らの様子は、過去の象徴である親たちを動かす。

「過ぎ去った時は戻らない帰らない。けれど未来は変えられる」

そう歌ったりんねの言葉を、ストーリーで魅せてくれたサブストーリーの中心だ。

確かな強さと実力を持つ、小鳥遊おとは

涼野いとと対になる存在、といえば、小鳥遊おとはだろう。荒んだ、というのは言い過ぎかも知れないけれど、スレた生活をおくるいとと対照的なメルヘンな生活を送る彼女。はじめは自信がなく、おどおどしていた。そんな彼女は、周りと関わり合い成長してゆく。

もともと、彼女は評価されるだけの実力があった。それは、プリズムショーでも示され続けていた。そんな実力に、彼女心が追いつく物語。一人で追いつけなければ、周りに助けてもらえばいい。後からお返しすればいいだけなのだ。

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彼女は初めての対決でいとを破り、いとを動かす切っ掛けとなる。そして家族の問題で悩むいとを支えた。彼女は優しいだけでなく、強いのだ。

実は一番信頼し合っている福原あん、森園わかな

彼女らは、全然違ってそりが合わないようで、息はぴったりだ。 真面目な家庭で、けれど本音が言い合えない家庭で育ったわかな。騒がしい、けれど本音で言い合える家族を持つあん。

そんな対照的な彼女たちだったが、好きな男の子は同じだし、音楽の相性はぴったりだった。ぼくは、プリリズRLの曲の中でも「cherry picking days」がとびきりのお気に入りだ。

なぜならば、この曲、この映像が、彼女らの本質を的確に映し出しているからだ。

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正直、わかなはあんに支えられてばっかりではないか、と思うところもある。けれど、それはそれでいいのだ。友情は見返りを求めない。わかなが、あんに対して素直な気持ちを示した、それだけで充分なのだ。

鏡あわせの りんね、天羽ジュネ

別のステージにいる彼女ら。けれど、彼女らも想いがある。悩みがあって、考えがあって、だから苦しむ。

りんねと天羽ジュネらの問題は、文字通り別次元の問題だ。りんねは世界を背負ってこの世界に降り立った。天羽ジュネは、身勝手な想いで世界に残った。だから、彼女たちは対立せざるを得ない。

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けれど、最後にりんねはジュネを救った。何故だろうか。きっとそこには通じた想いがあったのだろう。ぼくは想う。きっと、りんねもこの世界に残りたいと考えたのだ。それは、なるたちとの生活が理由だろう。そこには楽しさがあった。個があった。個性というものがない、りんねたちとは対照的だ。そんなりんねを、彼女たちは「りんね」という「個」として扱う。そして、徐々にりんねは個に目覚めてゆく。

天羽ジュネも、きっとそうなのだろう。誰かの姿を借り、降り立って、また去るべきだった彼女。けれど、想いを知ってしまった。自分の気持ちに気づいてしまった。

残る決意をした天羽ジュネ。去る決意をしたりんね。そんなりんねの気持ちが、覚悟が、彼女らが共に歌った歌詞に見て取れて、こみ上げてくるものがある。

ねえ、もしも今が終わっても
後悔はない
混じり合えないと笑って泣いた
懐かしく新しい今日が未来への橋の始まり
—「SEVENDAYS LOVE, SEVENDAYS FRIEND」より

姿形が同じりんねを、唯一個にたらしめる可能性を秘める記憶。それを保つことは許されない。 けれど、唯一覚えることができた「ハピなる」という言葉。

作品の終盤で「絶対に忘れないから」と言ったなるに対して、何も応えなかったりんね。しかし、この言葉を覚えていた事実というのが、彼女の想いと、晒さなかった想いの強さがくみ取れる。

男の子組「オーバーザレインボー」

正直に言おう。彼らには完全に混乱している。キンプリ劇場版を観て、ぼくは彼らが男色だったのかと思ったのだ。ほら、だって美少年ってそんなイメージあるじゃん。だから、ちょっと女の子と良い感じになるシーンが出てくると尻がむずがゆくなった。

そして、カヅキ先輩の鈍さには笑った。カヅキ先輩が気づくわけないだろ!

お前ら気になっている女の子居るくせに、男同士で何いちゃついてんだ。いいぞもっとやれ。

さいごに

ストーリーの盛り上がりと音楽、プリズムショーの映像が高次元に混じり合う。 仕事が忙しく、寝るか仕事をしているか?の酷い状況のときに、この作品に出逢った。そして、何とか持ちこたえることができた。 ぼくは、この作品に感謝する。

近頃、つらいときにプリリズRLの音楽を聴いて元気をもらう。プリズムの輝きは、確かにあったのだ。

プリティーリズム・レインボーライブ プリズム☆ミュージックコレクションDX

プリティーリズム・レインボーライブ プリズム☆ミュージックコレクションDX

*1:隣の席に座っていた後輩に突かれて気づいた