立て直せ、人生。

人生行き当たりばったりなアラサーが、無事にアラフィフになれるように頑張らないブログ

ひとりぶらぶら 東京散歩のススメ。秋葉〜丸の内を歩き、新型NSXを眺める。

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天気がいいから外へ出た。

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土日、時々ふらり東京を散策することがある。東京散策、というと浅草だとか谷中だとか、そういったところを想像される。そういったところも散策しがいがある。けれど、ぼくはオフィス街や、なんてことのない東京の風景が好きなのだ。

普段だと、ひしめき合うほど人が歩き回っているはずのオフィス街。林立するビルたちの間を人々が騒がしく行き来する。それが、土日になるとひっそりと佇んでいる。そんな様子を見ていると、日常世界から切り離されたような気分になる。その様子は、終末を迎えつつある世界のようで、どこかおかしい。

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オフィス街散策の魅力

偶然のビルとの出会い

以前、太平洋戦争以前に建てられ、手動エレベーターのある「奥野ビル」へ散策に行ったことがある。無論、こういった著名なビルも好きだ。しかし、なんてことのない街中を歩いていて、ときどきぽっと出会うビルのなかにも、魅力的なビルはある。

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例えばオフィス街で見つけたこのビルなんかは、70年代風のデザインで、質実剛健といった趣である。しかし、窓枠の縁取りだとか、一回の柱のアーチ部分だとか、その上に煌めくオレンジ色の光だとか、そういったものがほんの少し彩を添えていて、「質素」過ぎないビルとなっているのが大変に可愛らしく魅力的だ。

丸の内の魅力

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東京駅に近づき、丸の内方面に差し掛かると、趣が変わってくる。再開発が進んでいるためにどれも「おろしたて」でぴかぴかしている。 それに、三菱村とも呼ばれるほど三菱グループがひしめきあうこの地域は、豪奢なビルが多い。

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煌びやかなのに、落ち着きがある。さすが三菱グループといったところだ。人気のない大手町を抜け、そんな雰囲気の丸の内方面に突入すると、「人のいない日本の中心」に、なぜだか気分が高揚してくる。

そんなとき、梶井基次郎の「檸檬」が読みたくなる。身体を壊し塞ぎ込んでいた主人公が、檸檬を爆弾に見立て、普段避けていた「丸善」を爆破させる想像をする話だ。

へんにくすぐつたい氣持が街の上の私を微笑ほほえませた。 丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆彈を仕掛しかけて來た奇怪な惡漢が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆發をするのだつたらどんなに面白いだらう。

ぼくはだいたい似たような気持ちになって、人気のない街中を抜けて行く。

街中の黄昏時、あるいは「片割れ時」の魅力

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黄昏時、あるいは近頃流行っている「君の名は。」でいうと、「片割れ時」(かたわれどき)だろうか。人気のない街が、急速に闇に飲まれてゆくその様子をみていると、まるで世界が作り物のような気がしてきて、大変に愉快だ。

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自分も闇に紛れて、輪郭が曖昧になったように気分になる。どこまでが自分で、どこからが街で、どこからが他人なのか。 はっきり線引きができているはずのものですら、曖昧になってしまったような気分にさせてくれるこの時間、この風景が、ぼくは大好きだ。

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さいごに、NSXを眺めて

その日は、最後に友人と合流。東京駅の八重洲口に飾られたNSXを眺めた。NSXの周りには、ちょっとした人だかりができていて、写真がパシャパシャ。

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「わーかっこいー」だなんて子供の言葉が聞こえてきた。「最近の子供はエコカーに魅力を感じて、スーパーカーには興味がない」っていう話を耳にしたことがあったけれど、やっぱりかっこいいものはかっこいい。世代を超えて共有できる「かっこよさ」を与えてくれる存在っていいよな、って思いながら写真を撮った。

しかし、この車、お尻がエロいのである。ついつい、ローアングラーになって撮影をしてしまった。ケツがエロい車は良い車だ。新型ロードスターとかね。

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1日の締めは、ビールだった。都合12kmほど歩いたあとのビールはうまい。

「なんで一人で歩いていてたのさ」
「いやあ最近運動不足だし?暴飲暴食が過ぎてたしさ」
「それで最後にビールで締めてたら意味ないだろ」
「歩いたからこそビールがうまい。どっちにしろ飲むんだからいいんだよ」

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歩いて、くだらないことを話して疲れて家に帰って即寝落ち。少し前、けいろーさんが一人散歩について触れていたけれど、なんとなく共感できる。ぼくの場合は、なにかぐるぐるぐると、嫌な思考が湧き上がってきて気分がふさぎこんだ時は、ぶらぶらぶらと歩いて自分を疲れさせて寝てしまう、という作戦をとったりする。子供のころによくやった、遊び疲れて寝てしまう、そんなカンジだ。

昔は、深夜2時3時に人気のない古い集落を歩いてみたり、神社を散策してみたりしていたけど、近頃は日の高いうちから夕方にかけて。日光浴と軽い運動で、セロトニン分泌して鬱病予防。それに、何も手がつかなかった日でも歩いた距離を眺めてみると、「何かをやったような気分」に浸れて、精神衛生にも良いのだ。

ぼくは、この行為を「おっさんの一人歩き」、通称「おっさんぽ」と呼んでいる。みなさん、おっさんぽ、いいですよ。