立て直せ、人生。

人生行き当たりばったりなアラサーが、無事にアラフィフになれるように頑張らないブログ

アフィよりもポエムの方が儲かる悲しさ

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午後12時オフィス街、仕事を抜け出し外に出た。職場ヒッキーのぼくは、あまりの眩しさに目が溶けそうになる。

こんな日は、暗くじめじめとしたインターネットにダイブするのが良い。ネットは広大なのだから。

ぼくはツイッタークライアントを立ち上げ、タイムラインを覗き込む。 2chが便所の落書きならば、Twitterは汚物が次々ながれ去って行く下水管だ。

その中に一つ、きになるものが流れてきた。フミコフミオのツイートだ。

アフィリエイト目的のブログなら胸を張ってそう言え。雑記ブログでありアフィリエイトを貼っているぼくの胸には刺さらずそのまま横をすり抜けて、だからこそぼくはショックを受ける。

ぼくはアフィリエイトで成り上がりたかったし、ともあればこのブログで大変に儲けてTCP/IPとかいう邪悪なプロトコルの支配するおぞましい世界の王となる覚悟があった。

ぼくの完璧なる計画においては、1年目にブログ運営費がアフィリエイトで賄え、2年目は本業に肩を並べ、3年目には法人化を検討し、4年目にはアーリーリタイアの予定だった。そうしてぼくはポエムを書く。のし上がるため、自ら汚したインターネットの世界に、一輪の花を刺すように。マッチポンプでぼくはヒーローになるのだ。

現実はどうか。

運営費は賄えているが、本業で残業した方がよっぽど収益率がよい。しかし、残業が好きなのではない、望むと望まざるとに関わらずなのである。そしてぼくは疲れ果てる。アフィリエイト記事を書き続ける、エコノミックアニマルになりきれない。紡ぎ出されるのはほとんど愚痴かこの世への呪詛などである。ポエムだ。

このブログのエントリたちは、着飾ることすら忘れた恥ずかしいぼくの想いたちなのである。

インターネットのどん詰まりで、ひっそりとそこに佇んでほしい。恥ずかしさそのものの塊なのである。頭のなかを吐き出したポエムなんてのは、裸よりも自分がむき出しで、裸なんかより恥ずかしいのだ。

承認欲求が叫び声をあげる。こんなぼくを承認するな、頼む、誰もこちらを振り向くな!しかし、同時に響く声。僕を見て!僕を見て!僕の中のモンスターがこんなに大きくなったよ!

だから、このブログの現状は嬉しく、同時に恥ずかしさで爆ぜて飛び散りそうなものなのである。

今現在、このブログはアフィリエイトを貼っている。アフィブログである。ありがたいことに、なんとかはてなブログでの運営費を賄える程度には収益が上がっている。

しかし。収益を上げているのはアフィリエイトなぞではなく、ポエムたちだ。なぜだ。嬉しい。頼む、許してくれ。こんなぼくを読んでくれる人がいる。どうせ笑われてるに決まっている。ぼくはポエムで食ってゆくんだ。恥さらしめ。

ポエムは稼ぐが単価が低い。友人は言った、純文は今時儲からんさ。ぼくは少し嬉しさを含んだ声で返す。ぼくは純文を書いているのかな?友人は肩をすくめる。人生と感情を切り売りしてる点は同じさ。

ぼくは憔悴していた。自分の過去のエントリを見返してみると、枕に顔を埋めたまま首都高のC1環状線を全力疾走したい衝動に駆られるのである。

しかし、しかし。それでもなお、何かを書き続けないとぼくのこの気持ちは収まらない。吐き出し続けねばぼくはきっといつか破裂する。書き続けても爆ぜてしまう。そうだ、どうせ死ぬんだ人なんて。

春の陽気のオフィス街、自転車二人乗りの高校生カップルがサラリーマンの合間を抜けて走ってゆく。後ろの黒髪長髪の女の子は、自転車を漕ぐ男の子の背中に抱きつき、頭を預けて弾けるような笑顔を浮かべる。交通整理をする警官が、すっと目をそらし見て見ぬ振りをした。

あまりの眩しさにぼくの目は完全に溶け落ちる。爆ぜて仕舞えばいいのだ。みんな、みんな。幸せなカップルは爆発しろ、潤ってるアフィリエイター爆発しろ、ある日テポドンが落ちてきて。みんなはじけ飛んでしまえばいい。

ぼくはアイフォーンを取り出した。今のこの想いを、この薄っぺらな板にぶつける。吐き出さずにはいられない。

どこかから叫び声が聞こえる。助けて! 僕の中のモンスターが破裂しそうだ!

ぼくはそんな声を無視して、ブログの公開ボタンを押した。

(所要時間27分。このブログの収益は、このブログの運営費と ぼくの頭髪の救済 に充てられる)

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