読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

立て直せ、人生。

人生行き当たりばったりなアラサーが、無事にアラフィフになれるように頑張らないブログ

2016年 個人的おすすめアニメ映画ランキング TOP10

スポンサーリンク

今年は異常年。

同じ作品を観るために、何度も映画館に行く……という経験をするのは今年が初めてだったし、 それが何作品にも及ぶのは想像だにしていなかったです。

そんな作品たちを、ランキング形式にして、それぞれに感想を書いてみました。

正直、このレベルだとランキングの順位は各人の好みの問題。 悩み抜いて TOP10 にしてみました。

2016年新作

第10位, 第9位. エロティシズム映画「傷物語(Ⅰ、Ⅱ)」

傷物語 I 鉄血篇(通常版) [Blu-ray]

傷物語は、本年2016年に、3部作のうちの1作目の熱血編と2作目の鉄血編が上映された。

古き良きフランス映画を意識しているというこの映画は、確かにゆったりとして、どこかアーティスティックな映画である。 こちらの作品も、色彩設計の人たちからも一目を置かれた作品であり、独特のアニメ映画らしからぬ色使いが、どこか妖艶な空気を生みだし、 世界を包む。

ぼくは、このフィルムはエロいと思う。 どこか、実験作品じみたこの作品であるが、存在感のなく無機質な世界の中に、キャラクター達が動き回る。

その対比が、生きていることのエロティシズムを浮き彫りにし、アニメーションだというのにその生々しさが ひどく印象に残るのだ。

第8位. 地味だけど忘れられない「planetarian〜星の人〜」

planetarian~星の人~Blu-ray通常版

「泣ける」で有名な、「Key」のビジュアルノベルゲームが基となっていて、その続編が小説短篇として書き下ろされている。 ゲーム原作部分はインターネット配信され、その続編が映画として作られた。

正直、作画はイマイチ。 そして、話は少々古くさく、地味な部類に入るだろう。

だけれどこの作品は、どうしてか忘れられない作品となった。

人々に忘れられることの悲しさ。それが廃墟の悲しくも美しい背景、透明感のある音楽と共に物語りを辿るなか、 様々な想いがこみ上げてきて溢れてしまう。

映画版のみでも配信版の総集編部分が組み込まれているため、単体でも楽しめる親切設計となっている。

「よくできた作品とは言えないかもしれない。 でも、僕は好きだよ

そんな風に言いたくなる作品だ。

第7位. エンターテイメント作品として新境地、「キンプリ」

劇場版KING OF PRISM by PrettyRhythm 初回生産特装版Blu-ray Disc

エンターテイメントとしては、キンプリが頭一つ抜けていた。

キンプリは、女児向けアニメ「プリティーリズム・レインボーライブ」に登場する男の子キャラをメインにした、 BL……?アニメ。 考えるんじゃない、感じるんだ としか言えない作品だ。 観ると、 「なんかヤバいもん観た」 という衝撃に頭をぶん殴られる気分になること請け合いだ。 とにかくジェットコースターに乗せられているみたいな気分を味わえる。

バカな展開を、本気でやっているこの作品。 初視聴では、「突っ込めばいいのかそれとも……」と困惑するだろう。

そんな間に、ノリノリのダンスバトルが始まったりして謎のテンションの高さに飲み込まれてゆく。 とにかく何も考えず身を任せるしかない。

合えば中毒になる、 「電子ドラッグ」 的作品だ。 知り合いには、出社前キンプリとか言い出した人も居たが、ぼくは依存症になることなく、 結局5回ほどしか劇場には行っていない。

第6位. 「同級生」は最もエモかった2016新作映画

同級生(完全生産限定版) [Blu-ray]

本年2月に封切られた「同級生」は、 ヤンキーっぽい男の子と、優等生の男の子の恋を描く、BL作品だ。 この作品は、是非これまでBL作品に触れてこなかった男性にもみて欲しい。

近づいたり、離れたり……二人の恋の行方にやきもきして、どきどきして、映画に没入してゆく。 BLファン達はこんな素晴らしい作品たちに触れていたんだ!とぼくはたまげてしまった。 そして、たった60分の作品なのに、あまりの濃密さに2時間は映画を観たような満足感が得られる。

まるで、故・出崎監督のフィルムを観たあとのような気分である。

なお、制作スタッフはほとんどが女性だったという。 男性だったのは、編集の人と担当プロデューサーくらい。

色彩も柔らかく繊細で、色彩設計の人たちの間でも話題になった作品だ *1

第5位. 泣けるクレしん「クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」

映画 クレヨンしんちゃん 爆睡! ユメミーワールド大突撃 [Blu-ray]

正直に言うと、この作品は「クレしん映画っぽくないけど、大好きな作品」だ。

「オトナ帝国」や「戦国大合戦」で、原監督の「泣けるクレしん」シリーズが立て続けに出た後、 子供向けのギャグなどに振った結果、近年イマイチぱっとしなかった印象のクレしん。 そんなクレしんだが、「ロボとーちゃん」(2014年)にて、華々しく復活(主観)。

父親がテーマだった「ロボとーちゃん」から2年後の2016年、今度は母親についてのテーマで作られた。 なお、この2つの作品はどちらも高橋渉監督作である。

ある秘密を持つ少女と、しんのすけが触れあう。 そしてかすかべ防衛隊のメンツとも交流することにより、その少女は一つ成長する——。

少々内省的で、「夢の世界」という設定。どうしても閉塞感が拭えないのが惜しいところである。 このあたりのバランスは、初期クレしん映画の傑作「ヘンダーランド」が飛び抜けて出来がよい。

しかし、この作品はぼく個人のツボを突きまくってくれる作品で、ヘビロテしたくなる作品だ(劇場で2回、家で1回視聴)。

第4位. 美しい映画「君の名は。」

君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)

ぶっちゃけ、「あの新海誠がSFか……」って言いながら観に行ったこの作品。 そのあまりの出来にぶったまげてしまったのが、この作品だ。

「言の葉の庭」でアニメ絵と現実のリアリティの極限まで達した新海誠。 「これ以上進めないだろ……実写かCGじゃないか」というのが正直な感想だったけれど、 とらドラ!やあの花で知られる田中将賀の「可愛らしい」アニメキャラクターを採用、背景ともどうしてか馴染んで完成度の高いフィルムとなった。

テンポは音楽PVを観ているかのような軽快さで、シナリオもきちんとどんでん返しなども用意。 ストーリーも、幾つかの空気の異なる短篇がアソートのように詰め込まれ、 いくつもの「味」が楽しめる。 そして、それらがきちんと繫がるように配置され、メリハリが付けられているのに舌を巻く。

サイドストーリーの短篇集も併せて読むと、 それぞれの登場人物たちに物語があり、人生がある……そんな風に感じることができ世界が拡がる。 よく練られた作品だ。

……で、こちらも数年に一本くらいの気に入り具合だったのだけれど、今年は異常年、 ぼくの中ではこの位置になってしまう。

第3位. カメラワーク、音楽の演出が素晴らしい「聲の形」

映画 聲の形 オリジナル・サウンドトラック a shape of light[形態A]

撮影、音響、カメラワークと、あざといほどに全力ぶっこみしている作品が「聲の形」だ。

耳の聞こえない女の子をテーマにしたからこそ、音にこだわったこの作品は、透き通るような音響で、 鍵盤の擦れる音まで聞こえてくる。

カメラワークも腰を抜かすレベルで練り込まれている。 表情や身振り手振りでは現れていない人物たちの気持ちを、カメラワークが代弁している。 これにより、映画の中のキャラクターには得られない「気づき」を、観客側に与えることに成功している。

個人的には、客観的な演出の多かった「君の名は。」と対になるような作りの作品だと考えている。 客観的で幾つかの異なる味わいを詰め込んだ「君の名は。」に対して、 内省的な一つのドラマを深く掘り下げ、濃縮して描いたこちらの作品。

ぼくとしては、こちらの作りの方が好みだったので、この順位となった。

是非、「君の名は。」を気に入った人には、併せて観て、その作りの違いを楽しんで貰いたい。

第2位. 脚本が素晴らしかった「ズートピア」

ズートピア MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

ズートピアは、キャラクターの可愛らしく世界感に広がりが感じられる。 そして、音楽も素晴らしいと非の打ち所がないような作品。 しかし、その中でも特筆すべきは脚本。劇場で観たときに、あまりの完璧さに呆然としてしまった。

観ていて気持ちの良いリズムで進む物語は、あっという間に映画の世界に引き込んでくる。

その心地よさ、キャラクターの可愛らしさに何度観ても飽きが来ない、リピート作品。 観るたびにはっとした気づきがある、名作だ。

なお、日本語吹き替え版と英語版とで映像の中の文字表記が違うのがポイント。 ニュースキャスターまで違っていることで話題になっていたけれど、BDではしっかりと両方収録されていた。

「聲の形」「君の名は。」の順位と悩むところなのだけれど、 総合的なバランスとしてはこちらの方が勝っていたな、ということでこの順位とした。

なお、ぼくがジュディに恋をしてしまって贔屓になっている……などということはない。 だって、ジュディはニックの嫁だしね。

第1位.「この世界の片隅に」で精神的ヘッドショットを受けた

「この世界の片隅に」 オリジナルサウンドトラック

これは……もうね。

怖いんですよ、この作品。

一回目、観た時はどうしてか叫び出したくなるというか、逃げ出したくなるというか。 変な声が出てしまいそうになるのを抑えるのに必死だった。

どこの時代にも居るだろう、天然の少女「すず」さん。 自分の人生も、他人に決められて、流れに身を任せるようだった。

そんなすずさんが、戦争に運命を翻弄される。 そんな中で、すずさんが自分の足で立ち、自分の居場所を見つけるまでの物語。

どんな時代だって人々はたくましく生きている。 どんな時代だって、 生きねばならない

この作品に出てくる広島の人々は、実際に原爆で亡くなった人のデータベースから、 写真と年齢を調べて描かれたりもしたという。 確かに、このすずさんが生きた時代は、ぼくらと地続きに「あった」のだ。

ぼくらの過去だったのかもしれないし、ぼくらの未来なのかもしれない。 そのことが、この作品を「他人ごと」と思えない理由なのだとぼくは考える。

2016年のぼくのベスト映画は、迷うことなくこの作品を推そう。 そして、現時点で、ぼくの人生のなかでのベスト映画だ。

最後に

2016年に話題になった映画ばかりになってしまったけれど、 それぞれ話題になるだけの理由があると思います。

視聴者のその時々の状況によって、その作品から読み取るメッセージは変わるはず。 映画に限らず、創作物って世の中に放たれた瞬間から、触れた人の数だけ、 その作品の物語があるのだと思います *2

ぼくは他の人が、同じ作品に触れてどんなメッセージを受け取ったのか?が興味があります。

みなさんのTOP10は、どんなものですか?

*1:第108回アニメスタイルイベント 「色彩設計新春飲み会 <色彩設計おぼえがきスペシャル>」内にて

*2:このような発想が好きな人は、短篇の名手、ボルヘスの『「ドン・キホーテ」の著者、ピエール・メナール』という短編小説を読んでもらいたい。 この作品では、一字一句同じ作品だとしても、作者やその作品が作られた時代背景によって、作品のメッセージが異なる…… という物語を描いている。