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超小型PC「GPD Pocket」の実践投入までのカスタマイズと、使用感レビュー

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「出先でパソコンを使いたい」。スマートフォンの普及により、その必要度は減ってきたが、やはりどうしても必要なシーンがある。

例えば、緊急対応。ぼくはインフラエンジニアという生き物である。電子首輪(通称:会社携帯)がひとたび鳴れば、即座に回線確保、システムオペレーションを開始する。

ほかには、長文の執筆。スマートフォンのフリックでは厳しく、キーボードが欲しくなる。ブログ執筆や小説執筆、プログラミングをするには打ちやすいキーボードが必須だ。

このような態勢を整えるためには、小さく、軽量、常に持ち運ぶのが苦でないパソコン が必要だ。ニッチだけれど、確実にある需要。それを満たすのが、この GPDPocket だ。

本ページでは、本機器に対して行なったカスタマイズや、その上での使用感を紹介する。

(下からMBP15インチ、MBA11インチ、ASUS T90CHI、そして一番上がGPD Pocket)

所感。

神機一歩手前

給電しっぱなしで使えさえすれば!

安定稼働させるまでに色々と工夫はいる。初期からいきなり楽々使えるわけでもなく、癖も強い。

それでも、トラックポイントを備え、実用的なキーボードも搭載されている。筐体の質感も良く、チープさがない愛着が湧く端末だ。

iPhone6と並べてみると、その小ささが際立つ。

ポートは右側に片寄せされている。USB Type-C、micro HDMI、イヤホンジャック、USB 3.0 Aが整然と並んでいる。

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裏側の刻印は、なんかAppleっぽい。

ここが Good!

とにかく持ち運びが苦じゃない

鞄に入れっぱなしでも苦じゃない。電車待ちの間にさっと取り出して作業をして、すっと戻すというのが、この電子手帳サイズだと可能なのがうれしい。

MBA11インチでも、ちょっと大きすぎて厳しかったのです。

試行錯誤が楽しい

GPD Pocket買ったはいいが、不具合祭り個体差祭り……

「ハードウェア不具合?それともドライバ不具合?」「なんかファン音おおきいんだけど!?」

あーでもないこーでもないと話し合うのが、大変楽しい。

例えば、hackして無理やりLinuxを入れたマシンだとかrootを取ったスマートフォンだとか、不思議なキャプチャボードを買ったのならばわかる。

しかし、これは単なるWindows機だ。それなのに、「なんとか実用までもっていく」という楽しみを、玄人から素人まで一丸で味わえるのはなかなかない。

自分の筐体にぴったりの不具合情報を見つけて修正だ!

ここが Bad……

やっぱり結構不具合が多い。試行錯誤して回避できるものもあるが、どうしようもないものもある。

ここでは、個人的に困ったものを挙げる。細かいものについては以下のWikiを参照してほしい。

GPD Pocket Wiki

給電しながらの使用が非推奨

できる。できるけど推奨されていない。

理由が明確ではないけれど、indiegogoのコメント欄でのやりとりにおいて、「給電しながらの利用は推奨しない」とされている。

給電しながら利用すると発熱が凄いし、満充電になると、給電していてもバッテリ駆動となってしまう。 このあたりから推奨されないと推測できるが、その理由は公式に公表されていない。

テレビと電源に繋ぎっぱなし、普段は据え置き機的に……みたいな感じの運用がしたかった……。

USB Type-C Hub経由での給電が不可(かも)

推奨されていなくても、給電中の利用は可能である。

「無茶を承知で給電しながら利用しよう!そうだ!給電可能なUSB Hubを利用すれば、USB Type-Cコネクタに一本接続するだけで、給電、USB Hub、外部画面出力、すべてが済む!!

しかし、これが出来なさそう……という状況。

USB Type-C充電器のレビューで、規格適合品かどうか、詳細なレビューを行っているはんぺんさん。給電しながらの利用をしていたところ、HUBが壊れてしまった……とのこと。

因果関係は不明であるが、GPD Pocket がUSB PDの規格としては不適合な動きをしているそう。

少々注意が必要だ。

カスタマイズや購入物

こんなにクセの強い端末だけれど、憎めないこいつ。なんとか使い物になるよう、カスタマイズしたり、購入したものを紹介する。

トラックポイントのキャップ変更

Thinkpadではおなじみ、赤いポッチのあいつ。GPD Pocketには標準で青いヤツが付いてくるが、使い勝手が悪い。

これを、Thinkpad用ロープロファイルキャップ に交換すると、劇的に使い心地がよくなる。

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なお、いくつかの種類があるため注意を要する。GPD Pocketのキャップが互換性あるのは、 ロープロファイルキャップだ。

ほかにもThinkpadのキャップは種類がある。しかし、「ソフトリム」は画面に跡が付くし、「スーパーロープロファイル」は、背が低すぎて使い勝手がわるい。

Lenovo更新通販は納期が長くなっている(二週間以上先)。amazonでは、互換品が出品中。コメントを見ると「GPD Pocketのため」と書いているのが面白い。

早く純正品が欲しい人は、秋葉原のThinkFactoryというお店に行くと良いだろう。通販もやっているので、こちらを利用する手もある。5個で540円だ。amazonよりは安い。

micro HDMI変換ケーブル

GPD Pocketは、micro HDMIを搭載している。

4K解像度もサポートされているGPD Pocketを極限まで活かすのには、外部出力だ。

ということで、micro HDMI変換ケーブルを購入。ケーブルよりもコンパクトだし、出先のネカフェやコワーキングスペースなどでも利用可能だ。

ケース

ケースは、シンプルなサンワサプライのケース。色は汚れの目立たない黒。

MacBookAirでも同様のケースを使っており、シンプルで非常に気に入っていたところ、類似品を見つけて即座に購入。

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なお、口を閉じることができないので、これに入れただけで持ち運ぶとするりと落ちてしまう。なるべく鞄の中に入れるようにした方がよい。

……何度かMBAでやらかしました。

capslockのctrlキー化

すごく申し訳なさそうに存在するcapslockキー。

申し訳ないがやはり邪魔であるので、capslockキーになってもらった。

よく行われるのは、capslockとctrlキーの入れ替えだが、どうせctrlキーは使わないので、変身してもらった。

レジストリは以下。

REGEDIT4

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout]
"Scancode Map"=hex:00,00,00,00,00,00,00,00,02,00,00,00,1d,00,3a,00,00,00,00,00

これを、caps2ctrl.reg というようなファイル名で保存し、管理者権限でインストールすれば良い。無論、自己責任である。

なお、Microsoft純正のツールも存在する。 レジストリの変更に抵抗がある人は、こちらを利用するのもよい。

IMEのオンオフを左右altキー

左Altを叩くと英数入力、右Altを叩くと全角ひらがな入力。連打してもOKな設定を行った。

これは、macOS風な日本語入力のオンオフ方式。英数行ったり来たりする文書を書く時に、非常に便利なのだ。

一般的には、半角/全角キーで押すたびに切り替わる「トグル」式だ。しかし、これだと「いまどちらの入力だっけ?」と迷う。

というか、 GPD Pocketには全角/半角キーがない。shift + capslockにて切り替えだ。

非常に使いづらい。指つる。千手観音でも全力で中指立てるレベルだ。

「Altキーの空打ちでIMEをオンオフするツール」こと、alt-ime-ahkというツール *1 を利用すれば良い。

WindowsのAlt空打ちで日本語入力(IME)を切り替えるツールを作った | karakaram-blog

クリーンインストール(お勧めはしない)

GPD 社の提供している、リカバリイメージではなく、Microsoft社の提供するイメージを用いての再インストールを実施。

ほとんど、「おまじない」のようなもの。悪意を持ったドライバーや、ハードウェアレベルで仕込まれていれば、終わりである。念のため……というだけの作業。

画面が縦長になって操作が厳しかったり、OSの設定をし直したり……と、手間がかかる割に、「工場出荷時には動いていたのにおかしくなった」ということもあり得る。あまりお勧めはしない。

トライする場合には、GPD Wikiを参照して実施するとよいだろう。

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実施時には、USBメモリを2~3本 用意するとよい。Windows10 OSイメージ用USBメモリの作成、そして回復ドライブの作成用、OSリカバリ直後のドライバインストール用の3種類である。

Windows10 OSイメージ用には8GB、回復ドライブ作成用には16GBの容量のものを用意すればよいだろう。

ぼくは、以下のUSBメモリを利用している。お手頃で、端子部分がスライド式なので、端子保護用のキャップをなくす恐れもない。

おもちゃ好きな人、買っちゃえ!

「それ、実用的なの?」って聞くんじゃない。 どうやって実用するのか、お前が考えるんだ。

こんな小さいマシンに、この秘めたるスペック。indiegogoに出資し、発送通知があってから届くまでの一週間、毎日朝晩欠かさず配送状況をチェックしていた。そして、届いた者は完璧ではなくとも、非常に弄りがいのある端末。

鞄にほうりこんで持ち歩くだけで、なんだかうきうきしてくる。今日まで、会う人会う人に自慢をしてしまっている。

なお、日本国内で買う場合には、正規販売店契約のある、Dent ONLINE SHOPから買うのが良いだろう。Amazonで出品しており、 オリジナル収納バッグやThinkpad純正ロープロファイルトラックポイントもセットで、64,800円だ。

Indiegogoでの出資者よりも公式通販サイトの方が早く届いたり、日本のクラウドファンディングサイトMakuake経由でエム・シー・エム・ジャパンへ出資した人たちが未だに届かなかったり。 色々と揉めているところもあるけれど、そこ含めてお祭り面白いな、ってぼくは思うのだ。

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」ってもんです。

*1:macOS向けのキーカスタムツール「karabiner」を参考にしたという