立て直せ、人生。

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ぼくらは結婚式のマナーや常識を知らなくたって

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を、読んで。

就職したての頃、友人から結婚式の連絡があった。電話にて、ぜひ君に来て欲しいから、とのことであり、スケジュール調整して連絡が遅れていたら、母に怒られた。

「返事が遅すぎない?こんなに遅いの相手に失礼だよ」

曰く、結婚式の返事はすぐさまにしないと、式の準備、席次などの検討に困るでしょう?ということであった。

祝儀の値段なども分からなかったので、母に確認した。「割れる数字じゃなきゃいいんでしょ?素数で出すつもり。3万11円。相手は東工大だし素数好きなはず」と言ったら、母は「馬鹿」と一蹴。

葬儀のマナー

マナーに気をつかうイベントといえば、結婚式に次いで葬儀がでてくる*1。ぼく個人は、子供の頃は慣れ親しんで作法にも自信があった。高齢化甚だしかった親類が、次々と亡くなって慣れており、葬儀慣れしない親族を手伝っていたくらいだった。それが、今となっては焼香台の前に立つときのお作法すら覚束ない。

覚えているのは、嫌いだったやつの葬儀の時は、準備してましたとばかりにおろし立てのピン札を包んで持っていくこと、ということくらいだ。

常識とマナーの定義とその範囲

こういうマナーの類って、みんな「当たり前っしょ」っていうけれど、じゃあどこからどこまでがマナーか?っていうのは難しいと思う。 結婚式のお祝いは割り切れない数字を、っていうのも、きっといつかの時代の気の利いたおっさんが、ちょっとした洒落でやったのがなんか広がったんじゃないの?とか思う。知らんけど。

例えば、世間一般常識を知らないということに定評のあるぼくを例に取り上げて考えてみる。ぼくは郵送物の扱いが覚束ない。閉じ口にばってん書く。印刷済みの封筒でわざわざ印刷された「様」を消す。ネットに転がる手順書の通り意味も理解せずに粛々と実行する。何かのプロトコルだろうか。「手紙の出し方もわからないのかよ」鼻で笑われた。

一方でぼくの思う常識もある。車を運転するとき、クラッチ板の上に足を置きっぱなしないこと。シフトダウンするときブリッピングで回転数合わせること。え?そんなことしない?常識ないの?躾なってないの?

よろしい、ならば戦争だ。ぼくは叫ぼう。自分がより常人だという安心感を得るために、相手を貶める発言を繰り返し、その報復として重箱の隅をつつく口撃を受ければいい。

常識という名に縛られる不幸な社会

不寛容な社会は自分自身をも縛り得る。「こんな日本を作ったのは誰だ!」。そんな自分にだって、一億ぶんの一くらいは責任がある。極度に薄められ、責任の分散が発生している限り、それを認識することは難しいけれど。

クラッチペダルに足を置くな、祝儀の金額、食事のマナー。縛られるみんなは誰かを縛りたい。

多分、今のぼくが葬儀に参列した姿を10歳頃のぼくがみたら、「おっさんのくせになっていない」と思うのだろう。けれど、人によって時期によって、学べる機会というのは異なる。社会を取り巻く常識という曖昧模糊としたサムシングも、その人がいる場所によって様相を変える。一様に均一な理想溶液が実際に存在しないように、一様に均一な常識なんてものは存在しないのだ。

「常識知らず」と強く言うよりも、お互いに優しく指摘しあう、そんな社会になるとお互いに幸せになるのではないかな、と思うのだ。

友人の結婚式とその後

式を終えて、呼ばれた数人の友人と共に、友人(新郎)に二次会の旨を伝える。

ぼくたちは高校時代の関係であるのだが、大学時代の人たちもまた二次会を企画しているようで、「順番に回るよう」と新郎は応えたのち、どうやら親類の酔っ払ったおっさんに捕まり拉致された。

そんな様子を見た新郎父が、「あいつも気が利かなくて申し訳ない、二次会の企画は新郎が企画してるか、誰かに頼んでたのかと思ったんだけど、そうでもないらしく……」。ぼくは「いえ、わざわざ呼んでいただいただけでも嬉しいですし、久々にみんなとお会いできたのがこんなめでたい席で」と応える。

二次会で雑な居酒屋で飲んでいると、しばらくして新郎が来た。机についてふぅ、とため息をつきハイボールを頼む。

「お前他んところの二次会もあるのに、こんなところで酒飲んでてあかんでしょ」 かちん、グラスを当てあう。

「最後だからいいよ、他でも飲んでないし、やっぱりこのメンツが落ち着くし」。 手羽先、モツ煮、サラダ。式中は食べれなかったから、と食欲旺盛な新郎を見てぼくらは笑う。

「あー、親父変なこと言ってなかった?あの人、酔うと変なこと言うからさー」

「そんなことないよ、良い友人を持った、って。本当のこと言ってくれただけさ」

ケラケラ笑って酒をあおる。おかわりを頼む。他愛もないことを言い合う。

ぼくは思う。マナーってのはお互いに気持ちよく楽しくための取り決めなんだって。だから、もっと気楽に、楽しく、堅くなりすぎずフランクにやりあえるようになれるといいなって願うんだ。

*1:結婚式の話の合間に葬儀の話を持ってくるな!って?それももしかして、常識かな?