立て直せ、人生。

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岐阜観光はいいぞ。飛騨と高山と下呂温泉(ついでに長野)

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「君の名は。」や「聲の形」のアニメ映画ヒットで、にわかに岐阜が一部の方たちにとって聖地化しつつある昨今。

岐阜出身のぼくだけれども、

「岐阜って何があるの」

「しらん、なんもない。なんか下品な名前な温泉がある。あと名古屋の植民地」

ってくらいの認識だった。それが、なかなかどうして、改めて旅行してみると岐阜って案外味のある田舎で面白い。

簡単な旅行記を通して、その魅力を紹介したいと思う。

岐阜、飛騨高山

「君の名は。」で出てきた飛騨高山。現在の行政区分においても飛騨市っていうのが残っているけど、かつての飛騨国の文化圏の中心は高山市にあり、「飛騨高山」って呼ばれてる。

「君の名は。」で出てきた駅から30分ほど走らせると、高山市市街。そこは、映画のなかのような「典型的ど田舎」ではなく、かつての城下町を想起させる、古き良き街並みが残っている。ここは、そのままの名前で「古い町並み」と名付けられている。

景観の保護にも力を入れており、コンビニなども景色に溶け込むようになっている。また、古い建物は丁寧に手入れをされて生き生きとしていて、何百年か昔にタイムスリップしたような気分にもなれる。

ちょっとした味噌製品が売っているお店を覗くと、そこは味噌蔵。「うちで作った味噌やで、味見してく?」と声をかけられ試食する。 甘くて(ぼくにとっては)懐かしい味がする。

味噌っていうと、名古屋が有名だけれど、岐阜だって味噌は生活に密着している。名古屋の味噌よりも甘く、あちらの味噌とは文化圏が違うのだ。 また、おおきな葉っぱの上で、刻んだきのこやネギなどを味噌を混ぜた、甘い味噌を炙る「朴葉味噌」と呼ばれる食べ物は、飛騨地方の特産である。

これが、ご飯に載せて食べると大変に美味なのだ。

飛騨の日本酒

古い街並みのなかには、用水路が張り巡らされている。豪雪地帯である飛騨地方ならではの工夫といったところ。 中を覗くと、澄み切った水がきらきらと陽光を反射して流れてゆく。

自然が豊かで水の美味しい飛騨は、日本酒も豊富である。岐阜のお酒は結構出回っているのだけれども、有名なのは平野寄りの酒蔵がメイン。 岐阜県内でも、飛騨のお酒ってあまり見かけず、手に入れづらい。

そんなお酒が歴史ある建物の中で、ずらり並んでいる様子は非常に迫力があって面白い。

なお、写真のお店は「地酒蔵」という名前で、通販もやっている模様。東京では手に入りづらい銘柄がたくさんあり、眺めているだけで楽しい。

www.jizake-japan.com

櫻山八幡宮

飛騨の「古い町並み」から少し歩くと、鳥居が見える。そこは、櫻山八幡宮だ。

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石造りの鳥居があったり、小さな祠が町中にちらほらと見かけられたり、神輿を収めるための、大きく立派な蔵があったり。 地元の生活に密着しているこの神社は、決して寂れておらず「生き生き」としていて、見ていて楽しい。

このきつね様は平成に入ってからつくられたらしいが、たいへんに愛嬌のある表情だ。 大きな時代の流れのなかで、新しきと古きが自然に同居しているその様は、心地がよい。

神社のすぐ側には、古民家を改装したカフェもある。値段も東京の下町にある古民家カフェと比べると大変お得(300円代)である。 店の様子を覗きこむと、地元の人たちが談笑している様子が見てとれた。

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櫻山八幡宮公式ページ

高山ラーメン

「君の名は。」でも出てきた高山ラーメン。

特徴的なのはその麺の縮れ具合だ。細く、すぐにでも千切れてしまいそうであるのに、歯ごたえがあって大変に美味しい。

ぼくがいったのは、「やよいそば」。八幡宮から数分歩いた先にあるお店で、高山ラーメンのお店としては老舗で有名な店とのこと。

頼んだのは「味あげ中華そば」。甘辛く味つけされた揚げが、驚くほどラーメンとマッチする。 大盛りにしなかったのだけれども、麺は結構な量があり、満腹になってしまった。高山に行った時はまた是非行きたいと思っている。

tabelog.com

岐阜、日本三名泉の一つ「下呂温泉」

土砂降りの中、下呂温泉にたどり着いたのだけれど、温泉街の景色に息を呑んだ。

夜、オレンジ色の街灯の光が、雨に濡れた道路で反射して、幻想的な雰囲気を漂わせる。 そして、川のサイドに植えられた柳の木たちが、どこか異世界のような静かな雰囲気を生み出している。

日本三大名泉、有馬温泉(兵庫)、草津温泉(群馬)に次ぐ下呂温泉である。 湯量が大変豊富なためか、どの宿でも泉質は基本同じであるという。

散歩していて面白かったのが、温泉スタンド。配湯所の裏にあって、なんだろう?と覗いたら「200リットル150円、300リットル200円」の文字。 どうやら三大名泉の住人ともなると、自宅温泉も容易に実現できるらしい。なにそれ羨ましい。

一点残念なところを挙げるとすると、日帰り入浴施設の数が少ないところ。無料の温泉が飛騨川のほとりにあるのだけれども、雨が降ったあとなどは増水の危険があるとして、入れなかったりする。どうやら、宿付属のものに入るのが前提のようである。

news.mynavi.jp

でも、宿はお手頃なところがたくさんある。ぼくの泊まった宿は、夕食に飛騨牛ステーキ付きで一泊1万円ほど。朝ごはんも、フグを網焼きするようなステキご飯で大変満足。 お肉と田舎料理の組み合わせってのは、もう文句のつけどころがない最強の組み合わせであるのだ。

長野、諏訪湖ほとり、重要文化財の温泉「片倉館」

さて、「君の名は。」で出てきた糸守湖は、長野の諏訪湖がモデルだと言われている。

行ってきた!と言いたいところだけれど、あいにくの大雨で写真を撮ることがかなわなかった。

夏の残り香を打ち消してしまった土砂降りは、肌寒さを感じさせるほどであった。そんなぼくらは、諏訪湖のほとりの温泉へ入った。

この温泉は、重要文化財に指定された建物にある。

昭和2年に建築されたこの建物は、昭和モダンな洋風建築。そんな建物と、日本の伝統的な温泉という意外な取り合わせが、心躍らせる。

浴槽の中は、1メートル1センチという深さ。胸元辺りまで温泉がひたひたと押し寄せるなか、上を見上げると煌びやかなステンドグラスが目に入る。

建物そのものも、明治大正昭和の洋風建築の雰囲気が色濃く、ドラマセットのなかにいるかのような錯覚に陥る。

そんな建物だというのに、雰囲気にはあまり気を配られていないのか、B級スポットのような様相を呈している。 でも、それがまた気取らない、今に至るまでごく自然に使われる建物だというような気がして、ぼくは気に入ってしまったのだ。

【国指定重要文化財】財団法人片倉館

長野、野沢温泉村

この旅行のなかで、意外な収穫だったのが、長野の温泉地「野沢温泉村」だ。 野沢菜の主産地である野沢村は、スキー場と温泉地で有名である。

野沢村の温泉地の特筆すべき点として、共同浴場が挙げられる。

地域のボランティアに寄って運営されるこの温泉は、賽銭箱が備え付けられており、寸志を入れて利用する。

今回、ぼくらが入ったのは、共同浴場のなかでも最も評判の良かった「大場」だ。源泉掛け流しで、「あつめ」と「ぬるめ」がある。

ぼくらが入ったときには人は全くおらず、温泉は人が入れるような温度ではなかった。水でうすめて、備え付けの湯もみ用板で湯をモミモミし、入れるまで15分ほどを要した。

風呂上り、女風呂から出てきた地元のおばちゃんたちに遭遇した。この風呂は、地元の人たちもよく利用しているのだという。

観光に寄りすぎていない、良い塩梅の温泉街は、なかなか貴重なのではないかな?と感じた。

さいごに

今回は2泊3日で東京から岐阜の下呂に行き、飛騨高山を経由して長野に抜け、新潟に行き、群馬経由で帰った。なかなかの弾丸旅行である。

「君の名は。」で出てきたような集落が、トンネルを抜けるたび、峠を越えるたびに姿をあらわす。そこには、都会とはかけ離れた世界が広がっているけれど、たしかに人々はそこで生き、生活をしている。

異世界のようだと感じても、アクセルを踏み続ければやがてたどり着く。だからぼくはドライブが好きなのだ。日常の景色から連続性を失うことなく、普段目にすることのない景色に出会えるから。たしかに、ぼくらは同じ世界に生きている。

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岐阜が聖地のアニメ

  • 「氷菓」(飛騨高山)
  • 「僕は友達が少ない」(岐阜市?)
  • 「ひぐらしのなく頃に」(白川郷)
  • 「のうりん」(美濃加茂市)
  • 「聲の形」(大垣市)