トランプの勝利を予想できなかった馬鹿たちの話
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トランプ政権が生まれた歴史的な日。
長引いた打ち合わせが終わり、席に戻って市況を見て自分の目を疑った。そこには綺麗なナイアガラの滝が出来ていた。隣の席の人も、青い顔してiPadを眺めていた。
ぼくはニュースをつまみ食いする中で、ヒラリーが勝つだろうことに、なんの疑問も抱いていなかった。
ネタ枠だと思っていたトランプ
トランプは、高度移民の高所得者層らに水をあけられた白人の低所得者層の、地方の人々の支持なのだと見聞きしていた。
「きっと何かを壊してくれる」
そんな勢いを感じたけど、まぁ勝つわけない。ネタ枠にしては得票して「格差の怨念は、アメリカにも渦巻いているのだ」とニュースで言われて終わるのだと思っていた。トランプを支持するのはネタとしてか、あるいは本物のバカなのか。そう思っていた。
だって、アメリカは政治的な正しさ、ポリティカル・コレクトネスを大切にするのだと思っていたから。 そんなイメージをひっくり返す出来事が、起きたのだ。
バカなのは、ぼくの方だったのだ。
グローバル化の揺り戻し?
正しさなんてクソくらえ、自分たちの生活が大切だ、浮遊できない今の仕組みをとにかくぶち壊して現状が変わることに期待する……そんな暗いエネルギーが、トランプ支持者たちのから感じられる。 「今の体制を壊し、ゼロリセットして初めからやり直せ」というグレートリセット論だ。
イギリスがEUから離脱したBrexit、アメリカの大統領選。たまる不満で壊せ世界。グローバル化の流れから逆行するトレンドが吹き荒れる。
さて、いつも二番手三番手の周回遅れ日本は、珍しくこのことを先取りしていたことは記憶に新しい。愛すべき鳩山政権だ。
2009年から2012年までの4年間、鳩山率いる民主党政権は、支持者たちの願い通り、日本をぶっ壊してくれた。清々しい程までに。 トランプ政権は、大国アメリカをどう導いてくれるんだろうか。今から楽しみである。
みんな馬鹿なのだ
ぼくが今回学んだことは、バイアスがかかったマスコミのヒラリー有利という情報を、自分自身が信じ込んでしまっている程度には馬鹿だってこと。あと、一人の男の演説の良し悪しで、株価や為替がギュルンギュルン乱高下する程度には市況の人たちも踊らされた馬鹿者だってことだ。
誰にも未来は予測できない。
あんな暴言を吐きまくって様々な人々を敵を回した人物に、それでも投票する人がたくさんいるんだって事を、ぼくは知らなかった。
ぼくの有価証券も、今日は2.5%ほど下落。 でも、淡々と積み立て続けるインデックス投資派なので、「下がった今は買うとき!しばらく株価低迷するんなら積み増しするターン!」と言っていたら、青い顔したiPadの人に、
「未来は予測できないよ、僕らの職がいつまであるかってのもね?」
と、ポンと肩を叩かれた。ぼくはやっぱり、たいそう馬鹿なのだ。
予想できない未来、もしかしたら、グレートなアメリカになって世界経済が大躍進する未来もあるかもしれないよね、とぼくは電車に揺られながら考えたりもする。知らんけどさ。