ぼくがkindleに身を委ねられないたった一つの理由
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Kindle Paperwhiteを買ってから半年ほどが経つけれど、正直あまり活用ができていない。
その理由は明確で、「小説の解説がないものが多い」 から。
Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi + 3G
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解説の重要性
古典の部類に入っている作品を読んでいると、その時代背景を知りたくなったりすることがある。例えば、60年代当時、その作品はどのような評価がされていたかとか、その作品の隠れた意図はどうであったのか、とか。
まったく同じ作品だって、書いた人やその時代背景によって、意味は変わりうる。ボルヘスも、伝奇集の作品のなかで、それをテーマとして書いているくらいだ(「『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール」)
- 作者: J.L.ボルヘス,鼓直
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あと、僕は解説は現実世界に戻ってくるための「薬」だと思っている。小説を読んでいて、その世界に入り込み、そして戻ってくるための薬。
本というものは、解説を含めて一つの世界を折りたたんでパッケージングした商品なのだと考えている。だから、紙の文庫にある解説が、kindleで省かれているとなると、僕はkindleで本を買うのに躊躇してしまうのだ。
僕がkindle版を買ってがっかりしたのは、川端康成「伊豆の踊子」。これは、三島由紀夫の解説がついているということで、解説も相当楽しみに読み進めていた作品だったのだ。事前に知ることができれば、たぶん、kindleでは買わなかった。
kindleのいいところ、使い分け
kindleについてぼろくそ書いているけれども、だからといって僕はkindleを窓から投げ捨てるだとか、そういうことは思わない。
たとえば、満員電車の中で本を読むときとか、片手で文庫本を持って読み進めるよりも相当読みやすい。たとえば、あまり荷物を増やしたくないけれど、暇な時間がありそうなときとかも、kindleを一つ持っていけばいい。場合によっては、iphoneで続きを読んだりすることもできる。
ぼくは広告ナシの3Gモジュール付きのkindleを持っている。そこそこお値段がするから、wifiにすればいいのでは、という向きもあるけれども、iphoneのkindleアプリで続きを読んだり、Kindle Paperwhiteに戻ってきたり、いったりきたりする場合には、3Gモジュール搭載で常に同期が取れているのが便利だ。
また、いちいちwifiでテザリングして……というのが非常に手間だ。すっと電源を入れてすぐ小説本が買える、その未来感はとても興奮する。
だから、僕は次のようなものにはkindleを使おう、と考えている:
- ライトノベル
- 解説はなく、基本作者の「あとがき」だから省かれない(はず)
- 話題の漫画
- 本棚の肥やしになりがち。気に入ったら物理本で買い直す
やはり、気に入った本は物理媒体で欲しい。ふ、と思い出して本棚からひっぱりだして、ここだここだ、とやるのには、kindleではやや具合が悪い。
一番嬉しいのは、物理本を買ったら、プラス100円くらい払うと、電子版も買える……みたいな仕組みなのだけれども。