立て直せ、人生。

人生行き当たりばったりなアラサーが、無事にアラフィフになれるように頑張らないブログ

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

雨の日の異世界

雨の日が好きだ。それはいつもの代わり映えのしない退屈な世界が、まるで異世界のように塗り替えられるからだ。 雨が降ると、つい傘を持ち出して外を歩いてしまう。コンビニの安いビニール傘を取り出し、空に向かって突き出す。それまで雨たちが我が物顔で占…

書籍ドラッグ「月世界小説」(牧野修)の酩酊感がすごい。レビュー・感想

本でしか表現できない、味わえないこの快楽。まさに書籍ドラッグ。 ジェットコースターのように次から次へと繰り広げられる言葉の洪水に、ぼくは飲まれた。 友人とゲイパレードを観にきていた青年「菱屋修介」。晴れ渡る晴天のもと、アポカリプティックサウ…

夢はきっと叶う、世界はきっと変えられる。愛すべき「ズートピア」感想とレビューと考察と

ズートピアを観た。端的に言おう。 なるべく良い音響で、でかいスクリーンの劇場で、観るべき超良作だ。 「ズートピア」は、動物たちが人間のように暮らすハイテク都市。誰もが願いを叶えることができるという。 さまざまな動物たちが共に暮らすこの街に、危…

押井守流 異世界ファンタジー映画「ガルム・ウォーズ」の感想

どんなコッテコテの押井映画が出てくるのだろう?と不安半分、期待半分で映画館に向かった。結果として、いまいち作品を楽しみきれず、物足りなさを感じた。 www.youtube.com 地球ではない惑星「アンヌン」。創造主「ダナン」が創りしその世界では、役割ごと…

やる気と欲の消失について

日々生きることについての悩みなのである。 かねてより、表題の件については頭を悩まされている。誰しも大なり小なりあることだろうとは察するが、ぼくの場合は少しだけ極端かもしれない。

お父さんと娘、親子で観られるアニメ9選。女の子でも大人でも観られるお勧めアニメ作品紹介

「ちょうずくん、娘と観られるアニメは何かないかい?」 そう部長の上の上の人から声を掛けられたのは飲み会の数日後で、ぼくが「ガルパンはいいぞ」って絡んでいたお偉いさん。 お話を聞くと、娘さんと一緒に観られるアニメを知りたいとのこと。 「ガルパン…

奥野ビルの手動式エレベーターとぼくのエレベーター恐怖症

ぼくとエレベーター 子供のころから、エレベーターに乗るのが怖い。 怖い、と言っても一切合切身体が受けうけなくて乗れないだとか、じんましんが出るだとか、そういったことはない。閉所恐怖症でもない。だから、日常生活には何も支障はない。 ただ、時折ふ…

奇妙な味わいのエッセイ集、あるいは妄想集。岸本佐知子「なんらかの事情」

エッセイか、妄想か、ショートショートか? 些細な日常のワンシーンから、妄想によって拡がる岸本ワールドに飲み込まれるこの本。どこまでが現実で、どこからが妄想かが判然としない独特な作品が、たったの3ページ分の文章で次々と繰り広げられて行く。 氏の…

蔵王のキツネと戯れよう。地上の天国「宮城蔵王キツネ村」

地上に楽園はあるのかと問われると、ぼくはイエスと答えるだろう。 宮城県にある、「宮城蔵王キツネ村」を観光してきた。10年ほどまえからずっと憧れていたところに、やっと行けたのだ。そこは確かに天国で、幸せそのものの世界がひろがっていた。 蔵王キツ…

フミコフミオへのレクイエム、あるいは勝手ベストセレクション

フミコフミオが死んだ。別名、 id:Delete_All 。2016年5月、春にしては暑く、じとつく空気がぼくらを取り巻いていた。 「ガラケーが壊れたんだ」 課長は嘯く。壊れたのはガラケーだけなのだろうか。違う。実際、フミコフミコは壊れていた。ロックを信奉して…

東京唯一の村「檜原村」に行ってきた

ぼくは東京が好きだ。だから、休みの日にも東京に行く。 東京を出て2時間。ここは、東京である。 本州にある東京都のなかで、唯一の村である。その名も、 「檜原村」 (ひのはらむら)。

半額刺身を買うサラリーマンにはなりたくなかった

子供のころ、忌み嫌っていた存在が二つある。ゴキブリと、半額刺身を買うサラリーマンだ。 なぜそこまで嫌うのか?という疑問が今になって浮かぶのであるが、嫌悪感を覚えて仕方なかった。あるいは、ぼくと母が、塾帰り夜食代わりに買おうとしていた刺身を、…

交通事故に遭った人を助けるのは、そんなにおかしいことなのだろうか?

数年前、まだぼくが学生だった頃、地元を運転していた時の話だ。当時は非力で旧式の軽自動車に乗っていて、坂の多い実家の近くでは運転に苦労させられたことを覚えている。 ぱしゅんぱしゅんと、前オーナーの改造によってエンジンは勇ましく鳴くのだけれど、…

国民全員がニートになったら?現代ディストピア小説「我もまたアルカディアにあり」感想と考察

「世界の終わりに備えています」 そう主張する団体が建築する、アルカディアマンション。それは窓がなく、常識はずれの分厚いコンクリートの壁から作られたマンション。入居費用も生活費も不要、働かずとも生活が保障され、ただ娯楽を消費すればよいと言われ…

ノスタルジックなSFファンタジー。ジャックフィニィ「ゲイルズバーグの春を愛す」

ノスタルジーというと現実逃避のためのものであるが、フィニィのノスタルジーはひと味違う。 むせかえるほどのノスタルジーに満ち満ちたこの短篇集は、現実逃避たるノスタルジーを全力で肯定し、同時に現実世界を強く批判する。 ゲイルズバーグの春を愛す (…

千羽鶴を折るのが嫌だった

小学生の頃、りんちゃんが入院した。もともと身体が弱く、休みがちな女の子だったけれど、色白で線が細く、背中の中ほどまでおりる髪は、艶やかな黒だった。瞳はおおきく可愛らしい。そんなお人形さんみたいな女の子が、ある日を境に、ぱったりと学校にこな…

文学の祭典「第二十二回 文学フリマ 東京」

文学フリマに行ってきた。文学フリマ、というとストイックなイメージを持たれるかもしれないが、これがなかなか懐の深いイベントだ。 現在は札幌や大阪などの地方都市でも開催されるようになり、東京では現在22回目*1。なかなか広がりをみせるこのイベント。…