ハゲ治療、AGA治療でプロペシア服用6ヶ月目の現実。
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「あれ?髪の毛増えた?」
その言葉は、まるで、あたたかな春の風のようにぼくの前髪をそっと撫でていった。ぼくの頭皮は、長く続いた冬を抜け、芽吹きの春を迎えたのである。
ぼくはどうやら、AGA、男性型脱毛症だという。AGAはその特徴として、遺伝するものとされている。両親の祖父も父親も見事に禿げているぼく。このエントリは、この身体にかけられた憎き呪いを断ち切ろうと立ち向かう、孤独な戦いの記録だ。
治療の決意
「チビデブハゲに金のない、となると役満だな」
という友人の言葉はぼくの胸を貫いて大きな穴を開け、向こう側へと飛んでいった。三十路の足音が大きく聞こえるようになった、齢27の頃である。
「女の子ならマシュマロ女子といえば可愛らしいが、男ならミシュランマンと呼ばれるだけだ。髪が薄ければ、より似てくる」
「デブは努力でどうにかなる、ハゲとチビとはどうにもならない」
そう言って、友人はぼくの前髪と腹を見て、せめて少しは痩せたらどうだい?と、ヨコハマタイヤみたいな顔して笑った。
ダイエットは難しかった。いっとき痩せても継続が難しい。RIZAPがちらりアタマの隅をかすめたが、金がかかる上に、努力を強制させるジムである。2ヶ月で50万という金額はぼくにとっては大金だったし、努力という言葉はゴキブリの次に嫌いだった。
ハゲの「治療」
ハゲはどうにもならないのだろうか?湯シャンプーをする、怪しげな汁を塗りたくる、菜食主義になる、そんな努力を惜しみなくしている人たちのブログを見る。頭髪の不調は一向に回復の兆しが見えなかった。
薄毛は病気なのか?病気じゃなければ気にしなくてもいいだろ。そんな若ハゲ先輩の言葉が耳の中にこだまする中、何気なく「ハゲ 病気」って出てきた。
「AGA 治療」「男性型脱毛症」
あっ、ハゲって治療するようなものやったんや。
そうして遡ること半年前、病院の門を叩き、治療を開始した。そうしてついに友人から「毛が増えてる!?」と言われるまでに回復してきたのである。
治療法
病名はわかった、するとなると治療法だ。やうやう薄くなりたる生え際、何としてでも食い止めねばならぬ。
以前のエントリに書いた通り、AGA治療の認可薬となっている、プロペシアを飲みはじめた。途中から、ファイザー製薬のつくるジェネリック製品を飲んでいる。主成分のフィナスフェリドが同じものだ。
費用と病院
AGA専門の治療院ではなく、普通の病院に通っている。AGA治療院は無認可の薬が出されるし、効果が高くもリスクも費用も高い。 個人輸入もちと怖い。
そんなぼくは町医者で処方される薬を飲むのである。診察費と合わせて、お値段ひと月8,300円也。
治療開始のころは1万円を越えていて、いまはこの程度。聞くところによると、病院によっては2ヶ月分くらいずつ出してくれるところもあるらしい。2ヶ月ぶんで1万5,000円を切るくらいだ *1。
効果
いっとき、減る髪
2ヶ月目で効果出てきた!みたいなエントリを書いた。しかし、副作用なのか何なのか、実は髪の毛がむしろ薄くなったのだ。
椅子に座るぼくを見下ろすように立っていた飲み仲間が一言。
「えっ、ちょうずさんマジ前髪薄くないっすか?地肌見えてるよ、やばくない?」
うるせーハゲって言いかけたけど、そんな言葉は飲み込んだ。っていうかハゲはぼくだった。
薬服用から3ヶ月目のころ、髪の毛は増えるどころか、むしろ減少の一途を辿った。確かに、髪の毛の一本一本はコシが強くなっていた。しかし、弱々しく生える、しかし大切な毛髪たちは、強く逞しく育つ前に、ぼくの頭皮から巣立っていってしまったのだ。
お風呂の排水口を眺めるとき、そして枕元にコロコロを転がすとき、ぽくのため息は大きくなったのである。
そして、変化
ぼくのアイフォーンの検索履歴が「ハゲ 似合う髪型」で埋め尽くされてしばらくのち、幾度目かの床屋でぼくは気づく。
「あれ?頭皮が見えなくなってきてる?」
治療開始から3ヶ月目以降、防御力の下がったぼくの前髪は、床屋を終えたあとは、頭皮のあられもない姿が露になっていた。それが、ずいぶんと隠れるようになってきたのだ。
最近の残業続きで目が霞んでそう見えるだけかもしれない。高鳴る胸を抑え自分にそう言い聞かせていたのだが、先日の友人どもとの飲みで冒頭の言葉が投げかけられたのである。
さいごに
フィナステリドを服用しても、なかなか効果が感じられない人もいるという。けれど、ぼくは確かな手応えを感じている。
これまでは、右前髪が局所的に大変薄くなっているのを気にしていた。朝起きて前髪を整髪料で固めてみたりしたが、見苦しいのでやめた。 風呂に入ると、前髪はほとんどないかのように地肌に張り付く有様。友人との温泉に行きづらく感じた。
いまは、まだ薄さは気になってしまうけれど、一本一本の太さはだいぶ回復してきている。
下は、治療開始時点、半年前の写真。エントリ冒頭は、治療開始半年経過時点のものだ。
写真ではなかなかわかりづらいが、週一くらいで会う友人らに「増えた!?」って言われる。たぶん、薄暗い飲み屋で頭上から照らすライトの反射が減ったんじゃないかな?って思ってる。
ただ、悲しむべきことに、アタマのてっぺんは、まだ薄い。最近短く刈り込むようになってから、より頭頂部の寂しさが際立つようになった。
まぁでも、半年前の写真をみてみると、頭頂部もだいぶ回復しているようにもみえる。写りが悪いので、ここには載せないけども。
薄毛や抜け毛が少しでもきになる人、まずはプロペシア(フィナステリド)から試してみるのはどうだろうか。
また、外用薬としてのミノキシジルも有用性が確認されている *2 。
外用薬としてのミノキシジルは、「リアップ」として国内で認可薬として売られているものである。ちょっと、頭頂部だけ試してみようかな、とも考えているが、一本7,000円でひと月。現在の治療費とあわせると16,000円也。ちょっと、尻込みしてしまうのである。
また、半年後の毛の生え具合をみてから、リアップにも手を出すかを考えてみたいと思う。
それでは、また半年後に。
参考文献
男性型脱毛症診療ガイドライン(pdf) - 日本皮膚科学会
関連エントリ
*1:ぼくは毎月出してもらってるが、出張が続くときにに2ヶ月分出してもらったこともある
*2:ミノキシジルタブレットは効果が高いとされているが、強い副作用が確認されているし、発毛を目的とした内服薬として認められていない。この辺りの話は、前回のエントリで軽く触れている。治療二ヶ月目のエントリ